2023.06.27 02:46(21)囲碁と歌舞伎[1]碁盤太平記 歌舞伎には囲碁に関係する演目があり、それぞれ面白い。参議院議員・官房副長官を務められた藁科満治氏は、このことに詳しく、著書も出されており、私も早く読みたいと思っているが、まだ手許にないので、まずは私の思いを綴りたい。 タイトルに「碁」が付くことで有名なのは、「碁盤太平記(ごばんたいへいき)」である。この演目は、バンガイ編(2)で触れた歌舞伎の大人気演目で「独参湯」と言われる「仮名手本忠臣蔵(かなでほん・ちゅうしんぐら)」の先行作品のひとつであるが、近松門左衛門の筆によるもので、単なる先行作ではなく、「仮名手本忠臣蔵」の主な役名は本作からきており、作品自体、今も上演される。 播州赤穂の殿様浅野内匠頭が、殿中で高家筆頭吉良上野介に刃傷に及んで切腹した事件...