2024.04.24 01:38(33)囲碁と歌舞伎[5]国性爺合戦等 前に触れた藁科満治さんの著書「歌舞伎に踊る囲碁文化」を読売新聞社から頂いたのが昨年の秋。この書を読んだことを早く書きたかったが、ついつい今月になってしまった。しかし、これまで何度も読み返して、藁科さんの造詣の深さにただただ驚嘆するばかりである。 さて、その内容であるが、やはり舞台の中身と囲碁が密接に関係する場面がある芝居として、「碁盤太平記(ごばんたいへいき)」「祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれい・しんこうき)」と「碁太平記白石噺(ごたいへいき・しろいしばなし)」が挙げられている。この3作の他に、藁科さんは、①「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」と②「花野嵯峨猫魔稿(はなのさが・ねこまたぞうし)」を同様の趣向のものとして並べられている。 ①は、我が国と中...