2026.05.25 11:37(58)毒饅頭 「毒饅頭」は剣呑な言葉である。昔は、敵と目する人を排除するのに、毒殺という手段を用いることがあった。実際、どのくらい、毒を盛ることが起こったのか、知るよしもないが、これを防ぐために、武士は外では、軽々しく物を食べなかったと言われる。私が書いた歌舞伎脚本でも、物語の展開に、結構、置毒をからめている。 加賀に関しても、次のような逸話が伝わっている。 3歳で加賀前田家を嗣いだ第5代綱紀公がいまだ幼少の頃、家光将軍に拝謁したとき、家光将軍は、綱紀公を可愛いいと思ったか、饅頭を手に取って食べさせようとした。すると、後ろに従っていた前田家の児小姓が、「お大名は、よそにて、ものをあがらぬものなり。」と叫んだとか。聞いた家光将軍は「もっとものことじゃ。」と言って、自...