2022.10.17 12:01(13)花見コウ 科学技術庁職員だった私は、外務省に出向し、在米大使館の科学担当参事官として勤務した。さらに、一般職の国家公務員を退職した後、チェコとスロバキアの大使の役目を頂いたが、これら外国勤務では終始言葉に苦労した。英語は中学校で習い始めて以来、長く付き合ってきたが、一向に上達しない。チェコ語とスロバキア語は難しい。この両言語は極めて似ており、別の言葉と言えるかどうかというほどの違いと思えるが、我が外務省にはチェコ語とスロバキア語の専門家がそれぞれいて、密接に交流している。この両言語の難しさは、まず格変化の多さにある。名詞が、主格、生格、与格、対格、呼格、前置格、造格と7格に変化する。固有名詞も格変化する。「イシダ」は主格だが、呼び掛けの場合は「イシダ」ではなく...